作品 / アニメ

ちいかわ

ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ

  • アニメ
  • ゲーム
  • 映画
  • 漫画

概要

ナガノが描く、ちいかわ・ハチワレ・うさぎたちの不思議な日常。仕事や友情、思いがけない危険が同居する世界と、刊行史・制作背景・アニメや映画への展開を紹介します。

基本情報

初出・刊行開始
2020

あらすじ

『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』は、ナガノが描く小さな生き物たちの日常の物語。主人公のちいかわは、友達のハチワレやうさぎと食事を楽しんだり、働いて欲しい物を手に入れたりして暮らしている。一方、周囲には正体のわからない存在や危険もあり、穏やかな時間だけが続く世界ではない。ささやかな楽しみと、ときに思いどおりにならない生活が隣り合わせになっている。 ちいかわは優しいが臆病で、緊張して泣いてしまうこともある。前向きなハチワレはその不安を支え、元気で怖いもの知らずのうさぎは独特の掛け声と行動で仲間を動かす。三人が同じ性格だから仲がよいのではなく、異なる反応を見せながら一緒に過ごす関係が物語の中心にある。周囲には、自分のかわいさをアピールするモモンガや、討伐で高い実力を持つラッコなども登場する。 暮らしを支える仕事には草むしりや討伐があり、鎧を着た者が仕事を割り当てる。草むしりには検定があり、合格すれば報酬を増やせるという仕組みもある。その一方で、空を飛ぶマンボウや巨大なお菓子など、現実とは異なる不思議なものも存在する。かわいい姿の住人たちが、働くこと、怖さに向き合うこと、友達を助けることを経験していく作品だ。

刊行・展開の歩み

原作は雑誌での定期連載ではなく、ナガノがTwitter、現在のXに投稿する漫画として2020年に連載を開始した。講談社の作品紹介ページも掲載媒体をTwitterとして案内しており、SNS上の発表と、後から編まれる単行本の刊行日は区別される。 最初の単行本『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』第1巻は、講談社から2021年2月12日に発売された。SNS未掲載の描き下ろしを収め、描き下ろし絵本付きの特装版も同時に用意された。その直前、2月10日発売の『モーニング』2021年11号には特別編が掲載され、同誌への初登場となった。これはSNSで始まった作品の出張掲載であり、同誌で連載が始まったという意味ではない。 第8巻は2025年11月21日に発売。「セイレーン編」を、単行本用の描き下ろしとともにまとめた巻である。この長編のSNS連載は2023年3月に始まっており、物語の初出と書籍化の間には時間差がある。通常版には紙と電子があり、ふせんとノートを同梱した特装版は紙のみ。講談社は、通常版と特装版で漫画の内容は共通だと説明している。版による違いは、追加の物語ではなく付属品として案内されている。

作者・クリエイター

作者のナガノは、『自分ツッコミくま』や『MOGUMOGU食べ歩きくま』なども手がけるイラストレーター。『ちいかわ』だけを描くのではなく、くまを中心としたキャラクター作品や食べ歩きの作品も刊行してきた。講談社は作者紹介で、アナログらしい柔らかな線画を特徴として挙げている。 実際の原稿を見る機会として、作者初の原画展「ナガノ展」が全国を巡回した。担当編集者による公式原画集の紹介では、SNSで読まれる漫画の元になったアナログ原稿を展示したことが説明されている。原画集には作者からの新しいメッセージも収録され、画面上の完成した漫画とは別に、制作の手触りに触れられる資料になっている。 アニメ化後も原作者の関与は続く。テレビ版について、プロデューサーの障子直登は、原作の漫画画像を組み合わせて構成案を作り、ナガノと監督の確認を経て絵コンテに進むと説明した。台詞や細かな設定も作者に確認する制作体制だという。 映画ではナガノが原作・脚本を担当。本人の公式インタビューによれば、表情や仕草、絵コンテ、漫画から増減する場面にまで関わった。たとえば、ちいかわがチラシへ手を伸ばす動きを、相手から乱暴に奪うように見せないよう要望したという。外見の再現だけでなく、動きが示す性格も監修の対象になっている。

メディア展開

テレビアニメは2022年4月4日、フジテレビ系列『めざましテレビ』内で放送を開始した。アニメーション制作は動画工房。主要キャストは、ちいかわ役が青木遥、ハチワレ役が田中誠人、うさぎ役が小澤亜李である。エンディング曲「ひとりごつ」はハチワレ役の田中が歌い、ナガノが作詞、トクマルシューゴが作曲・編曲を担当する。 2026年9月25日の公式告知では、同年10月2日から12月25日まで計25回のリバイバル放送を実施し、新作は2027年1月に再開する予定とされた。地上波と配信を組み合わせ、YouTube・TVer・FODで1週間限定の見逃し配信も行うという案内である。これは2026年10月1日時点の発表内容で、今後の予定として区別しておきたい。 初の劇場作品『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は2026年7月24日に日本で公開された。テレビ版とは制作会社が異なり、アニメーション制作はサイピク、監督は及川啓、配給は東宝。原作の「セイレーン編」を映像化し、島への招待を受けて出かけたちいかわたちが、島民を連れ去るというセイレーンの討伐計画に巻き込まれる冒険を描く。 ゲームでは、アプリボットが開発・運営するスマートフォン向け『ちいかわぽけっと』が2025年3月27日に配信を開始した。iOSとAndroid向けの基本プレイ無料・アプリ内課金方式で、運営側は、日本や米国を含む43の国と地域への配信を案内している。漫画の世界に触れられる遊びを集めたゲームとして位置づけられる。 映像やゲームのほか、キャラクターの世界を体験する施設にも展開。公式総合情報サイトは、初の大型体験型施設「ちいかわパーク」が2025年7月28日に東京で開業したことを案内している。関連カフェや店舗とは別に、作品世界を空間として楽しむ展開の一つとなっている。

制作背景・トリビア

2024年4月12日発表の第53回日本漫画家協会賞で、『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』は大賞の萬画部門を受賞した。選考側は、不思議で困難の多い世界で、仲間と暮らす喜びや奮闘を描く点を評価している。かわいらしい造形だけでなく、登場人物たちの生活や関係性にも着目した受賞理由である。 テレビ版のエピソード順には演出上の工夫がある。障子プロデューサーは、季節の話をなるべく該当する時期に放送し、厳しい展開が続くときには食事などの穏やかな回を挟むと説明している。SNSの掲載順をそのまま毎回映像化するのではなく、短い放送枠の中で緩急を整えている。 声の表現にも、漫画ならではの難しさがある。2022年のインタビューで、うさぎ役の小澤亜李は、独特の単語や咀嚼音に難しさを感じる一方、勢いのある声はキャラクターによく合い、気持ちよく収録できたと語った。オーディションでは掛け声のイントネーションも複数試したという。

つながり 9

出典